大学紹介

平成24年度 高知大学卒業式告辞

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
 また、保護者の皆様には、感慨もひとしおのことでございましょう。心からお祝い申し上げます。
 ご列席いただきましたご来賓、関係者の皆様に、高知大学を代表しましてお礼申し上げます。
 今日、皆さんが受け取られた卒業証書は、国立大学法人高知大学で国民の税金によって学び、自らの能力を高める権利を享受し、そして、皆さんがそれに応え、たゆまぬ研鑽を続けてこられた成果としての豊かな知力と学ぶ力、社会で活躍するために必要な社会人力を修得されたことの証であります。そして、皆さんが選ばれた者、エリートであることの証でもあります。
 エリートには修得した能力を社会に還元する責務があります。皆さんには、皆さん自身が何者で、自分に出来ることは、そして為すべきことは何であるのか、それは社会の発展にどのように役立つことであるのか、そして皆さん自身と皆さんの家族を幸せに出来ることであるのか、ということを常に考えて行動して下さることを願っております。それがエリートに求められるノブレスオブリージュであり、奉仕の精神、リーダーサーヴァントの精神であります。この精神は、自分をよく理解し、自分を公正に愛していなければ、なかなか身につくものではありません。それ故に、皆さんには自分を好きになり、自分を愛し、そして自分と同じように周りの人を愛することを期待しております。
 現在の社会情勢は、国内だけではなく国際的にも極めて厳しい状況にあります。一部の国を除いて国家経済は極めて逼迫した状況にあり、今、国をあげて立て直しを図っておりますが、わが国も例外ではありません。それに加えて地球温暖化や大気汚染、環境破壊の進行は、異常気象、自然災害、健康被害などを次々に発生させております。このままでは自然の回復力が失われる事態に陥ることが危惧されます。皆さんは理性的、科学的に考え評価する能力を修得されているはずです。それらの能力を存分に発揮して、より健全な社会の構築に尽力して下さることを期待しております。
 人類の叡智を結集すれば、この国と国際社会の再生の道が拓けるはずでありますが、その道を拓くのは、これから国と世界を背負って立つ若者であります。真に幸せな社会のあり方についても、熟慮を重ねて下さることを願っております。
 最後に、人類を含む生命体の最大の目的は、命を永らえることであり、命を繋ぐことであります。昨今の報道で、自らの命を絶つ若者が多いことに心を痛めております。彼らは想像を絶するほどにつらく、苦しい思いをしていたはずであります。しかし、それにしても自ら命を絶つことは家族や友そして自分自身に対する背信行為ではないでしょうか。皆さんが近くにいる人のことを忘れなければ、そしてその人に相談する少しの勇気さえあれば、解決策は必ず見つかります。人生には楽しみと苦しみが同じ数だけあり、禍福はあざなえる縄の如しという通りであります。必ず明日という日が待っています。社会に出ると楽しみよりも苦しみの方が多いと感じることがあるかも知れませんが、苦しみはそれを乗り越えることが出来る者に神が与える試練であります。苦しい時こそ能力を高めるチャンスでもあります。楽しめば何事も継続することが出来ます。この「楽即能久」「楽即能久」という言葉をこれから社会へ旅立つ皆さんへの餞として、学長告辞とします。諸君に楽しみ多き人生のあらんことを。
 ご卒業おめでとう。

 

 

平成25年3月22日


国立大学法人高知大学
学長 脇口 宏

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