平成２３年度 高知大学大学院修了式告辞
高知大学大学院を修了され、学位を授与された諸君に、大いなる期待を込めて、心からお祝いを申し上げます。
諸君が一歩を踏み出す社会は、諸君に何を期待しているのでありましょうか。
最高学府で学び、習得されたであろう頭脳作業の基本的な力を期待して、諸君を受け入れるのであります。すなわち、課題を発見し、解決のための企画を立案し、実験し、得られた結果に、今日的意義の視点からの考察を加え、是を世に問うという、知的基盤社会では、極めて日常的と言える活動を実行する力を期待しているのであります。
今、青年の就職に厳しい時代である一方で、これほど人材の不足を声高に言われる時もありません。日本のみならず広く国際社会に見られる、この奇妙な実態に真っ向から対峙し、２１世紀の新しい社会秩序を創造するためには、冒頭に述べた頭脳作業の基本を身につけた諸君の若さという健全なエネルギー無くしては不可能なのであります。
最高学府を修了した、まさに真のエリートとして、あらゆる領域において、軽佻浮薄に流されず、沈思黙考を以ってことにあたる諸君の活躍を期待して、学長告辞とします。
平成２４年３月２３日
国立大学法人 高知大学
学長 相良 祐輔
