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2021.10.9-10希望創発研究会(10月例会・オンライン)を実施

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2021.10.9-10希望創発研究会(10月例会・オンライン)を実施

2021年10月19日

10月9日(土)-10日(日)、高知大学希望創発研究会(10月例会・オンライン)を実施し、東京など県外企業人、高知県内企業人合わせて14名、学生15名、その他関係者24名の計53名が参加しました。

1日目
基礎セミナー&ワークショップ 「庭造りから学ぶ感性と創造性」
講師:小川 勝章氏(御庭植治株式会社 代表取締役社長)
聞き手:谷 俵太氏(希望創発センター 客員教員)


主に京都のお庭を題材に、お庭に込められている想いを庭づくりの視点からお話しいただきました。お庭とは何かでは、人間は自然へのあこがれがあり、自然に近しい面影を生活の近くに求めるからお庭を作るのではないかというご自身のお考えを述べられ、ただし、お庭イコール自然ではないので、いつも葛藤を覚えながら庭造りをしているなど、日頃の想いもお伝えくださいました。
午後からは、お庭の話を基にチーム毎で感じたことや気になった点について話し合いました。『お庭の中に自分の中の世界を見て、物語を感じた時に面白さを感じられるのではないか』『ヨーロッパのお庭は見て愛でる。日本のお庭は妄想の世界があり、違いを感じる』『庭造りを通して、見る手側に何を伝えたいかということを考えると、人によってとらえ方が違うから新しい発想が生まれたり、人の感性を豊かにするのではないか』等短時間ではありましたが、様々な話しがされたようです。

報告する参画者の様子


「チームワーク」
1日目セミナー終了後から2日目は、チーム活動が行われました。11月例会では、コロナ感染状況が回復傾向にあることから高知での対面開催の可能性が出てきたため、チームメンバーの共通する課題意識からテーマを絞り込み、検証したいことを踏まえて現地調査の訪問先の検討等も合わせて行われました。

<参加者の声>
■庭造りから学ぶ感性と創造性
・日本庭園に関してのお話でしたが、個人的には「解釈」という点でお話を捉えた。作る人の想いはもちろんいろいろあるのだが、同じ庭に対しても見る人それぞれの置かれている状況や気持ちによって捉え方も違い、どれが正解と言うことはないんだなと。普段の自分を思い返した時に、起きていることに対して勝手にネガティブに解釈することがあるのだが、もしかしたらそこをポジティブに解釈するようにしたら、その後の結果が変わってくるかもしれない。

・庭造りには様々な思いがこめられていることを知った。庭にも時間軸があり、変わらない景色から過去の思いを知ることができる。同じ庭を見ていても、各々の状況、時代背景、年代によって思いや捉え方に違いが出てくることが面白いと思った。そして、それらの見方を共有することで新しい何かをつくることができると感じた。

・龍安寺の庭にて、単純に敷き砂を敷くことで、不変の池だったり水を表現してるのかなと思ったが、しだれ桜が追加されたお話がでて、この景色のポリシーが年数が立つごとに人や自然によって変わっていくことに違和感と面白みを感じた。

・プライベートで、兼六園などの有名な庭園に行ったことがあるが、あまりいいと思わなかった。今日の話を聞いて、僕が眺めていたあの風景には、様々な意味が込められていることを知って、以前よりも少しだけ庭への興味が深まった。小川さんに解説してもらいながら庭園に行きたいと思った。

・和の庭を庭師の方の視点で教えていただき、「日本的な良さ」について考えるきっかけになってよかった。班内の議論では西洋的な部分との比較をする中で、日本的な良さについて考えたことが刺激になった。一番印象に残ったことは、西洋は自然に対抗するようなものを作り、静的なイメージがあるが、和の庭は自然と調和し、動的なイメージであるということであった。
 

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