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2021.5.15-16希望創発研究会(5月例会・オンライン)を実施

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2021.5.15-16希望創発研究会(5月例会・オンライン)を実施

2021年5月21日

5月15日(土)-16(日)、令和3年度の1回目となる高知大学希望創発研究会(5月例会・オンライン)を実施し、東京など県外企業人、高知県内企業人合わせて15名、学生19名、その他関係者28名の計62名が参加しました。昨年度は全てのプログラムをオンラインで実施しましたが、今年度は新型コロナ感染症の状況を踏まえて、ハイブリッド(オンラインと対面)開催を予定しています。

1日目
「理念醸成セミナー –希望創発センターとは–」及びガイダンス
はじめに大島副センター長の司会のもとに、運営関係者の方々がどのような思いからこのセンターの設立に至ったのかについてインタビュー形式で参画者の皆様と共有しました。次に1)我々が生きるこの世界はどのような仕組みになっているのか(自然の法則)、2)我々はどのような歩みで今の社会を創って来たのか、3)全ては「考える」ことからはじまるといったことについてお話しし、なぜ希望創発なのか、センターが目指す人財像のアプローチなどについて説明をしました。


「自己紹介インタビュー(参画者、教員)」
午後から、谷 俵太氏(本センター客員教員)がインタビュアとなり、この1年間活動を共にする仲間を知る機会として、参画者、教員全員のインタビューを行いました。
インタビューでは参画企業人からは「既存の枠にとらわれがちなので、そこから抜け出したい。」「『意義』と『意味』の違いが気になった。意味(心が感じること)に従っていくことが楽しみ。」「日頃ルーティーン的に同じ業務をしているとどうしても閉鎖的な考え方になるので、違う価値観を持って失ったものを取り戻したい。」等の発言がありました。
また、学生からは「昨年も参加して、働かれている方の話を直接聞けることが良かった。」「価値観、方向性が違う方と話して視野を広げたい。人前で話すのが苦手なので克服したい。」等、研究会参加を楽しみにしている様子が伺えました。

参画者インタビューの様子

2日目
「不便益からの学び」
講師:谷 俵太氏(希望創発センター 客員教員)
1日目に引き続き、谷 俵太氏が講師となり、不便益について説明を受けた後、学生、企業人、教員がそれぞれの小グループに分かれて、不便益の視点で物事について話し合いを行いました。各チームからの発表では、『手書きの手帳』や『短い充電コード』といった物の他、『対面授業、仕事』『礼儀作法』『遠距離恋愛』といった不便であるけれど益がある事柄まで幅広い視点で話し合われました。

講師 谷 俵太氏(希望創発センター客員教員)

「アイデアバトル –不便益からつくりだす–」
午後からは『不便益な家』をテーマに、午前と同じ班で考え、各班から一人ずつ5回の対戦に出場する、アイデアバトルを行いました。『二人じゃないと開かない家』では、浴室に小さな子供が一人で入ると危ないので、親御さんと二人で前に立つと初めて開けられるドアのある家。また、『ダイニングテーブルの椅子がシーソーになっている家』では、食事時に一人ではなく二人以上で食べてほしいという願いがこもったものでした。家族の成長と共に家自体が成長する『背の伸びる家』やトイレや浴室を使った後、『掃除をしないと出られない家』等様々なアイデアが出されました。これまで主流となってきた効率社会では『便利』が大事なことでしたが、自分が生きていることが実感できる社会で『便利』『不便』は私たちに何を与えてくれるのか、その両方に気づくことでこのセンターがやろうとしていることが少しイメージしてもらえる機会になっていると嬉しいです。

<参加者の声>
■希望創発センターはどういうものと理解しましたか?
・未来に向けて希望を作り出すこと、そのためには人間は自然圏のなかで生きているということを意識し、人間にだけ役立つことを考えず、幅広い視野・視点をもって自然圏全体で考える。そして、社会全体に役に立つかどうかという「意義」で判断することが多い現代社会のなかで、必ずしも社会全体に役に立つ必要のない自身の感覚に従った「意味」を考えぬく。

・自分たちが日々生活している中で必要な「当たり前のこと」を通してなぜそうなっているのか?社会とは何なのか?などを考えていくことで視野を広げる。

・ひとりひとりが自分の内面に気づき、幸せを見つけること。そして多様な個人が集まって社会課題の解決の原動力を生み出すこと。

・当たり前のことを疑い、常識に固まった頭をほぐすことが根底にあるということを理解した。そしてこの方針は、人間が人間として存在が大きくなったからこそ、考えるべきものであると認識した。

■感想
・学生や社会人、講師の皆様のお話を伺う中で、自分自身が効率性・合理性に偏重した思考をしていることを再認識させられた。

・普段しないような頭の使い方ができ、大変新鮮な気持ちで取り組むことができた。とくに学生の皆さんは単に柔軟で自由な発想というわけでなく、実現性や将来性もよく考えられており、社会人としてある種の危機感すら覚えた。

・グループで話している時とてもワクワクして案を出したり、聞いたりしていた。今後も楽しんでいきたい。

・1人1人が話す場があったことでオンライン環境下でも、今年度の参加者の顔や性格を感じることができ、来月もどんな活動をするのか楽しみ。
 

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