【イタリア留学日記】岩瀬誠司くん「イタリア~ンな日々」:9月21日~28日

2014年9月28日
 

◆2014年9月21日

 長い留学生活の終わりが近づくにつれて、日本に帰ってからの生活を気にするようになってきました。一番気になるのはアルバイトです。少しずつ仕事を覚えてきたところで、留学で長期の休みをとったので、帰ってから仕事がちゃんとできるか心配です。僕はコンビニでアルバイトをしているのですが、仕事は徹底したマニュアル通り。それ以上でも以下でもいけない。毎日ロボットのように働いている。そういえばイタリアに来てからマニュアル通りの対応をされたことがない。毎回目の前のお客様をみて対応してくれる。言葉が通じない日本人相手でも時間をとって丁寧に対応してくれる。そんなイタリアの対応に好感を持つとともに、日本のマニュアル通りの対応に嫌気がさします。僕の働いているコンビニでは1分1秒を無駄にしないために徹底してマニュアルを守っています。そんなに急いでどうするのだろうか。新幹線や高速道路などの交通網が発達し速さを求めるようになった日本人。そんなに急いでどうするのだろうか。ゆっくりとした時間の流れるイタリア・サルデーニャ島に来て初めて客観的に日本を見ることができたような気がします。

 

◆2014年9月22日

 今日はマモイアーダからアルゲーロへの移動。アルゲーロへのバスの乗り換えのためにまずはヌオーロを目指します。10時45分にバスが来るはずだけど、来る気配がない。と思ったら10分ほど遅れてバスが来ました。どんなバスが来るかと思ったら、50人ほど乗れる大きなバスが来ました。バスにはすでにお年寄りの方が4人乗っていました。田舎の街から出ているバスなのでそんなに乗る人はいない。マモイアーダから乗り込んだのも僕たち3人だけ。車社会が発達していても、バス移動の習慣が身についているのだろう。おそらく日本だったらこのバス路線は廃止になっているだろう。毎日数人のために大きなバスを運行して、地元の人の脚として活躍しているバスは僕たちのような留学観光客にとってもありがたい存在です。

 

◆2014年9月23日

 今日は午前中3人で街歩きをした。お昼からは僕は海に行きたかったので海に行った。女の子2人は街へショッピングに行きました。

 カリアリにいた時はあまり海に入りたいと思わなかったのに、アルゲーロではなぜか入りたくなった。おそらく毎日のお風呂がシャワーだけで浴槽に浸かっていなかったせいだと勝手に思い込んでいます。前海に入ったのは10年以上前だろう。まさか9月の末に海に入れるなんて。日本じゃ考えられない。

 日本のビーチは騒がしいし、ゴミも多い。最近ではビーチでの規制が設けられているところもあるみたいです。しかしアルゲーロの海は透き通るほどきれいで、海水が暖かかったです。ビーチも人がたくさんいるけど静かでした。規制がなくても騒音もしないし、ゴミもほとんど落ちていない。飲酒をする人はいるけど、暴れ回る人はいない。とても落ち着いたビーチでした。

 

◆2014年9月26日

 ローマに上陸しました。ローマに来て驚いたのは外国人の多さです。もちろん外国だからそうなのですが、私が言いたいのはそういうことじゃなくて、イタリア人以外の人が多いということです。特に中国、韓国、東南アジア系、日本人も見かけます。観光客でそういった人を見かける場合もありますが、店の経営をしている人も多いのです。つまりローマに住んでいるということです。

ローマはスリとか盗難が多いみたいなので気を張っています。そのせいで今日の半日ですごく疲れました。日本では外国人観光客を増やそうと取り組みをしている一方で、治安の悪化を懸念する声もあります。ローマの治安は今日半日ではわからないですが、街中にゴミは多いし、地下鉄、バスが走っている割には交通渋滞が起きていたりしています。サルデーニャ島と比べたら騒がしい街です。今日はローマを散歩しました。オペラ座、サンタマルタ教会を見ました。

 

◆2014年9月27日

 今日は災難な一日だった。今日は観光をしようと張り切って出発した。朝まず駅に行ってローマパスを手に入れた。ローマパスは3日間地下鉄とバスが乗り放題で、博物館等の割引もある観光客向けのパスです。その後オペラ座に行って明日の夜のバレエのチケットを購入した。そして地下鉄に乗ってバチカン市国へ行った。その後いったポポロ広場で悲劇は起きた。

 一人の外国人がはじめ日本語で話しかけてきた。その後英語交じりの日本語でコミュニケーションを取った。友達・FRIENDと言って去って行った。その後後ろから追っかけてきて、やや強引に腕にミサンガを付けてくれた。そしてその外国人は「そのミサンガの料金を」とお金を求めてきた。そこで気づいた「罠にはまった」と。

 結局手元に残ったのは10ユーロだけ。その後観光気分は吹っ飛び、無表情でスペイン広場の前を通過し、滞在先の部屋に帰った。

 でも物を盗まれたわけではなく、お金を払って怪我なく事が済んだのでよかったとプラスに考えるしかないです。海外とはそういうとこです。

 

◆2014年9月28日

 今日はオペラ座にバレエを見に行きました。演目はチャネレントラ。と言ってもあまりピンと来ないですが、シンデレラのことです。童話のシンデレラをロッシーニがイタリア語オペラにしたものをチャネレントラといいます。そのバレエを見に行きました。

 オペラ座の館内はすごく広くて、天井も高い。音の響きもすごくいい。そしてチャネレントラの写真集が売っていたので10ユーロで購入。昨日お金を不正に取られたせいで、手元に残ったお金は3セント。

3セントだけを持っていてもしょうがないので、お金を求めてきた子どもにあげました。今までもお金を求めてきた人はいるけど、全部無視してきた。でもお金を失って彼らの気持ちが少し分かった気がする。私はカードがあるから今日も食事をすることができるが、彼らはそうはいかない。だからたった3セントでも助けになればいいと思う。

今日は朝から貧乏生活。お昼過ぎまで部屋で昨日買ったコーラを飲みながらゴロゴロして、4時半からバレエが始まるので、その一時間前にマクドナルドで食事を済ましました。まさかイタリアに来てマクドナルドのお世話になるとは思ってもみませんでした。安くてお腹いっぱい食べることができました。日本と味は変わらない。

 

人文学部1年 岩瀬誠司

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