【地域協働入門III】 黒潮町を知る、聞く、深める、つなげる5日間
共通教育課題探究実践セミナー「地域協働入門III」が、9月4日~8日に開催され、1年生を中心に28名が黒潮町の暮らしや文化、観光振興の取組、蜷川地区のお年寄りのライフヒストリーの聞き取りなど、各プログラムに真剣に取り組みました。
メインとなるのはもちろん、黒潮町でのフィールドワーク。
9月5日・6日・7日の二泊三日のスケジュールで、佐賀の黒潮一番館、砂浜美術館、蜷川地区を訪問しました。
黒潮一番館では、カツオ船の元漁労長や漁師を支えるおかみさんのお話を伺い、カツオの藁焼きタタキづくりを体験。海とともに生きる人たちの暮らしを知りました。
砂浜美術館では、着地型観光の取り組みとその魅力をJICAのミャンマー研修生と共に学び、宿泊場所でもある蜷川地区では、区長さんはじめ地域のおじちゃん、おばちゃんの協力のもと、お年寄りの生きた歴史をグループごとに聞き取りに伺いました。
初めてのライフヒストリーの聞き取りに、始めこそ慣れない様子でしたが、「子どもの頃の遊びで楽しかったことは何ですか?」「お祭りではどんなお店が出ていましたか?」「今の暮らしの楽しみは?」などなど徐々に質問をし始め、最後には涙の別れを迎えたグループも。
「今日は一つ若返った。来てくれてありがとう」とお年寄りからは学生へ感謝の言葉が、学生はお年寄りの人生譚から、蜷川地区の昔の暮らしやにぎわいの様子を脳裏に思い描いていました。
ヒアリングの内容は「蜷川の原風景」として模造紙にイラストと文章で綴り、8日に大学で発表しました。
下村賀芽雄さん(89歳)からお話を伺ったグループは「子どもの頃は学校の行きかえりに川に仕掛けをして、アユを捕まえて上川口のお金持ちの家に売りに行った。大人の日当が50銭だった時代に一匹10銭で買ってもらい、それを学費にして学校を卒業した」という原風景を「川の恵み」と題した絵にまとめました。
お年寄りからの聞き書きと自分たちが触れた黒潮町の自然から想像の翼を広げ描いた絵はどれも力作ぞろいで、黒潮町の海から山までが一体となった多様な暮らしが学生の発表から見えてきました。
ご協力いただいた地域の皆様、ありがとうございました。