地域エコノミスト・藻谷浩介さん×高知大生、本気のカタリバ

2014年6月11日
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高知大学は、地域再生の核となる人材育成を目指して平成27年度に地域協働学部」を新設する予定です。そのプレ企画として、6月11日(水)、「デフレの正体」「里山資本主義」等の著者で地域エコノミスト・藻谷浩介さん(株式会社西日本総合研究所主席研究員)をお招きし、「高知×里山資本主義×学生 ~高知を元気にするには~」を朝倉キャンパスで開催しました。

   

 当日は藻谷さんによるミニ講演で、日本と地域の現状と地域に眠る可能性、提供された情報を鵜呑みにせず自分自身で見聞きし考えることの重要性を伺った後、学生たちは「あなた×高知でできること」と題したアイデア・コンペに参加しました。

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  学生からは「いなかの縁側で空をみながらゴロゴロするツアー」「馬車を走らせて観光の目玉にするだけでなく、環境に優しい農業に活用し、そのあとは馬肉に」「高知市の中央公園で行われているような“おきゃく”イベントを田舎で」といったアイデアが出ました。

  参加していた社会人からは学生のアイデアに対するアドバイスや実現可能性を高める情報も。

 学生×地域で起こる化学変化や学生がもたらす触媒効果の一端が垣間見えた企画でした。

 以下は当日のアイデア・ンペに参加した学生の感想です。ぜひご一読ください。

 

 

 

★。・

◆理学部3年 女子

 私は、藻谷さんのワークショップでの、「良い子ちゃんぶってるんじゃないのか」、「教えられたことをそのまま受け入れているんじゃないか」という言葉がとにかく心に残っています。何十年か後の日本を考えたとき、メディアでは若者が多くの高齢者を背負っているイラストをよく見ます。そのため、今の高齢者と高齢者になったときの自分たちを比べたとき、自分たちの方が大変になるのは当たり前だと考えもせずにそう思っていました。具体的なデータを自分で見せられたあとにも関わらず、です。ですが、それではだめなのだ、と喝をいれられたような気分です。全市町村を回り本物を見て、データも見て、それを踏まえて考えて、とプロセスを踏んでいる藻谷さんの言葉を聞いてから、なんとなく こんなもんかなという想像だけで動くことの無責任さを余計に強く感じました。地域協働において大切なことは、考えて動くこと。すること自体はシンプルかも知れないけれど、動けばどうにかなるなんていう簡単なものではないのだと考えさせられたような気がしました。

 

◆農学部3年 女子

 私はフットワークの軽さだけが自慢で、今までたくさんの地域におじゃまさせていただいてきました。これまでは足を運べば地域の方が喜んで下さって、私もそれがうれしくて、やさしさを当てにしているようなところがありました。

 しかし、これからはただおじゃまするだけではなく、自分から地域を変えるような行動を起こしていかなければならないと感じています。藻谷さんがおっしゃったとおり、ただ悲観するだけで動かないのは悪いことです。動けば現状は打破できる!

 このことを忘れずに、学生生活を送っていきたいです。

 

◆人文学部1年 女子

 藻谷さんが講義で仰っていた「高知は他県より20年進んでいる」という表現がとても印象に残っています。「先にゆくものがいないなら、自分たちで切り開いて行かなければ!」と考えると、楽しくなりました。

 しかし、切り開く難しさも知りました。あなた×高知でできることを10分足らずで考えて20秒で発表となったときはゾッとしましたが、時間は限られている、しかも今にも進んでいるのだと肌で感じる貴重な瞬間でした。

 また、藻谷さんが会場の真ん中に立ち、社会人の方々の意見や経験と学生のアイデアを繋ぐ形で進行をしてくださったことが、とても嬉しかったです。いつも「何ができるか」ばかり考えてしまいがちですが、ワーク中は自分のやってみたいことをたくさん考えることができました。今すぐできそうなことばかり考えてこなしていくばかりではなく、もっと先にどうなっていたいのか、それに近づくには何をするべきかなどを考えて行動できるようになろうと思います。

 

◆人文学部1年 女子

   私の地元である高知県をもっと好きになれるようなお話をたくさん聞けて嬉しかったです。今までは人口流出や高齢化が他の県より進んでいることをすごく悲観的に捉えていました。しかし他の県でもいずれはそういった問題にぶつかるだろうから、早くから対策を考えている高知県はむしろ他の県よりも一歩先を歩いているんだという新しい発想を知って、マイナスイメージばかりを立ち上げずに、先例が無いという不安を乗り越えて、自分が地域のためにできることを考えて行こうと前向きに思うことができました。

    私は高知県の活性化に取り組む団体を仲間と作っており、これから活動を始めようとしています。その上で必要な情報も得ることができました。高知県は全国的に見てもあたたかい県民性であること、交通の便が悪くて観光地には不向きと思われる場所でも特産品や地域性を活かすアイデア次第で良くなること、一見くだらないと思えるアイデアでも肉付けや付加価値をつけることで成功し得ること、など。高知県には良質な素材がたくさんあります。それを多くの人に広めていけるよう、仲間と一緒にPRしていきたいと思います。

 

◆農学部4年 男子

 まず、藻谷さんの人口推移の中で今の若者が将来、老後の病院や福祉施設などに余裕ができるというところで、説明やデータを見ずに、いままでの常識で判断してしまったことに、気づかされました。

 そして、学生が企画を考えるところでは、考案するに際して観光客を呼び込むことや、移住の促進など様々な要素を盛り込む必要があったと思いますが、具体的にどんなことを盛り込めば良いかの説明がもっとあれば考えやすかったと感じました。

 ただ、今城先生や学生が考えた企画や、実際された白川郷での企画など、一見奇抜なものでも、地域に対しての効果があると分かり、自分自身が四万十市西土佐などでしてきた活動もある程度の意義があるのかなと感じることができました。(少し前まで東京・大阪で就活をしており、面接で田舎での活動のことを話しても、なぜそのようなことをしているか理解してくれる方が少なかったため)藻谷さんのお話やフロアの方のお話などから、自分のしてきた活動に意味があることだと感じ、また、前半の人口のお話で著書で主張されてことがより具体的に分かり、全体を通して自分の中のもやもやしたものがスッキリとし、とても有意義な時間になりました。ありがとうございました。

 

◆人文学部4年 女子

 藻谷さんの講演・アイディアコンペを振り返って、久しぶりに頭を使ってわくわくすることを考えたなと感じました。というのも私は今大学4年生。就職活動も終わり、日々毎日をゆるーく過ごしていて、ゼミでのフィールド活動に参加するでもなく過ごしていました。そんな中、ゼミの先生から誘われて参加しました。

 久しぶりにたくさんの学生のアイディアを聞けたのも新鮮でしたし、何より思った以上に地域に眠っている魅力を掘り起こしなんとかしたい!と思ってる社会人の方が多くいることも驚きでした。

 短い時間の中でアイディアを考えるのは難しかったです。しかもとても軽い気持ちで考えたものが選ばれ動揺しました(笑) そこで思ったことは需要は少ないけど決してゼロではないことこそやる価値がありそう(つけられそう)だと思いました。私が考えた縁側でゴロゴロツアーも普段ゴロゴロしない人には受けないだろうし、しかし私のようにゴロゴロする事が大好きな人にはとても受けそうだという望みが見える。ゼロではないことに対して望みを見出だすって面白い、面白いことしたい!と思いました。

 藻谷さんの本を読んでワークショップをしてみて、○○じゃないといけないという固定概念は人から行動力を奪うものだなと感じました。既成事実を疑えではないですが、冷静に考えれば合点することもそうならない理由ってなんなんだろうとふと考えるきっかけになりました。

 卒業までに田舎の縁側でゴロゴロツアー実現できたらいいなとぼんやり考えますが、実際何から手をつけていいかとか足踏みしてしまうのも事実です。そういった地域や人も多いのでは、じゃあどうしたら?とモヤモヤが溢れ出る日となりました。私はモヤモヤが悪いことではないと思うのでもりた式を探していこうと思います。

藻谷さん、お忙しい中ありがとうございました!

 

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