【留学体験記】タイの村までイッテQ!:最終回 シビックプライドの醸成(伊藤亜美さん)
こんにちは!
桜が咲き始め、春がやってきますね?
4月からは今までの長いようであっという間だった学生生活に別れを告げ、新たに社会人として自分の力で生きていきます!
(少々大げさでしょうか?笑)
さて、今回でこの振り返り日記も最後となります・・・
最後は、学生らしく前回と同様に卒業論文に絡めて書きたいと思います。
テーマは、“シビックプライド”という言葉がキーワードになります。
シビックプライドとは、日本語の郷土愛とは少しニュアンスが異なり、
愛着+誇り+“当事者意識”が加わったものです。
「自分がこの街に関わっているんだ」という当事者意識が加わっているところが郷土愛との違いです。
このシビックプライドとジャムルン村の人たちとの関係を考えていきます。
ジャムルン村では村人同士の交流が深いと思います。
コミュニティーセンターで働いている人たちは、まるで家族のようです。
自分の子供でなくても、叱ったり褒めたりと皆で育てているという印象を受けました。昔の日本のようですね!
これは“村”という小さな組織だからこそ、出来ることかもしれないですね。大きくなればなるほど、深い人間関係を築くことは難しくなります。
この深い人間関係は、シビックプライドが醸成しやすい環境だと思います。
やはり、人が積極的に街に関わっているんだという当事者意識が持てるようになるにはそこに住む人たちとの関係がとても大切ではないでしょうか。
その人達のことが好きであることはもちろんですが、好きというだけでは当事者意識までは到達しない気がします。
なぜなら、“好き”という感情だけでは自分の中だけで完結してしまい、自己中心的なもののような気がします。
しかし、“好き”に“誇り”が加わるとそれは自分の中だけに留まるのではなく、周囲の人や街のことを積極的に考えるようになるのではないかと私は考えます。
何かピンチなことが起きた時に、自発的に動けるかどうかは愛着+強い誇りを持った人たちなのではないでしょうか。
当事者意識を醸成するには、誇りの度合いが重要であることをお話ししましたが、この誇りの度合いを強める方法はなかなか難しいものですね・・・
卒論では地元である千葉県旭市のシビックプライド醸成を促す提案をいくつかしましたが、どれも万能とは言えないし、そもそもこのシビックプライドが醸成したかどうかの判断もできないため、確実な方法は残念ながらありません。
しかし、それでも各地域では愛着と誇りを持つことの重要性に気付き、試行錯誤を重ねながら街の存続を必死になって考えている人たちがいます。
都市間競争が激化している海外都市でもシビックプライドの重要性を改めて感じており、シビックプライドの醸成に励む都市がたくさんあります。
(海外の方が日本よりの先にシビックプライドの醸成に取り組んでいます。)
その流れをくんで、日本でも横浜や新潟などではシビックプライド醸成の取り組みを展開しています。
このシビックプライドの醸成する取り組みが日本の各地に広まることを願うばかりです。
これで振り返り日記は最後となりますが、拙い文章を最後までお読み頂き、ありがとうございました。
また、タイ滞在中に良きアドバイスを下さったり、身の安全を確認しにきて下さった先生方、そしてこの日記を編集して下さった清水様をはじめコラパーの皆様、本当にありがとうございました。
平成26年3月人文学部卒業 伊藤亜美