【卒業生エッセイ2013】第1回鎌倉詩野さん:人とのつながりから学ぶこと

2014年3月27日
 

高知大学では、コラボ考房プロジェクトやS・O・S認定活動、県内各地での地域活動、首都圏での長期インターンシップなど社会と共に学生を育てる様々な授業や準正課プログラムを実施しています。

 昨年度より、上記のような仕組みを活用し、活動し、活躍してきた卒業生のエッセイを掲載しています。今年もこの3月に学び舎を巣立ったばかりの平成25年度卒業生によるエッセイを複数回にわたりご紹介させていただきます。

 社会との関わりの中で学生たちがどのように考え、学び、行動し成長してきたのか。

 経験に裏打ちされた実感のこもった、彼ら自身の言葉から感じ取って頂ければ幸いです。

 記念すべき第1回は

 ・鎌倉詩野さん (平成26年3月卒業・人文学部)
 
 です。鎌倉さんの成長の軌跡をご一読ください。


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 【人とのつながりから学ぶこと】 鎌倉詩野さん

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 私は高知県北西部に位置する仁淀川町で生まれ、大学入学まで地元で学生生活を送っていました。少子高齢化の影響で過疎が進み、私の母校は全て休校・廃校になってしまいました。この現実を目の当たりにし、高校生の時には、「なぜ若者は町外、または県外へ出て行くのだろう。町中で子供の声が聞こえる町にしたい」という思いを持つようになりました。そこで、中山間地域の現状、活性化について学びたいと思い、高知大学へ入学を決意しました。

 入学してからは、教授や先輩に声をかけて頂いた学習会や地域のイベント、農業へ積極的に参加をしました。それは、活動をしていたら何か学びを得られると思ったからです。しかし、参加するだけでは意味がないと2年生の時に気づきました。きっかけは、首都圏で行った長期のインターンシップです。インターンシップを行うまでは、積極的に活動に参加していても、自発的なものではなく受動的なものであったと当時の私は思っていました。自分の意見に対しても自信がなく、これらを改善したいと思い、インターンシップを行いました。

 

 会社に勤め始めた当初は、仕事の成果を挙げ、社員の方に信頼されるようになりたいと思い取り組んでいましたが、失敗を恐れ、新しい企画の提案ができていない状態でした。そして、「理解するまで聞く、勉強する」ことが出来ずにいたため、会社の業務内容、目的、さらには私の役割を理解しきれていなかったように思います。このような時に、首都圏の大学生を短期インターン生として受け入れる企画を提案し、会社の商品を一般消費者に普及させるイベントに参加する業務を一任されることになりました。ここで、「自分」という壁に当たりました。この壁は、人の評価を気にして、疑問や方法を聞けないことです。私は、この企画をするまで、社長や社員の方の仕事に対する思いを理解した気でいました。そして、企画を任されたといっても、誰かが助けてくれるとも思っていました。しかし、この考えは甘く、社員の方は私の考えが出るのを、ひたすら待ってくださいました。

 この時に、自ら教わる姿勢になり、分からないことは聞いてもいいと思えるようになりました。そして、夜遅くまで企画について一緒に考えてくださっている社員の方に、行動で応えたいと思い、本気で本音で、企画について議論をしました。自分の理解度を上げるために、基本的なことも質問しました。聞いて、聞いて、少しずつ理解していくことで、仕事に対する意識も変化してきました。初めから理解している人はおらず、皆失敗をして、振り返り改善をして、理解を深めていく、と身をもって理解できたと思います。もし、この時に本気で考えず、社員の方と向き合っていなければ、これらの学びを得られなかったと思います。本気になって目の前の課題と向き合うという経験をしたのは、この時が初めてだったかもしれません。そのくらい、自分と向き合い、社員の方ともコミュニケーションを取り、壁を越えようとしました。この経験があったからこそ、自分で出来ることの限界、人に頼ることの勇気、人への感謝やつながりを大切にしたいと思うようになりました。

 

 実習を終え、大学に戻ってきてからは、1年生時に農業をしたい!と立ち上げた学生団体「あぐりぃ~ず」(いの町是友地区での花街道作り、学内美化活動)の活動に力を注ぎました。

 インターン実習で、人とのつながり、思いを聞くこと、聞いたことを伝えることを大切にしたいと思ったため、この経験を学生団体での活動でも大切にしたいと心がけるようになりました。チーム内では、目的の確認を定期的に行い、メンバー同士とも地域の方とも、こまめに連絡を取るようになりました。そして、定期的に地区の方と交流していくことで、団体の認知度が地区内でも高くなり、今ではお互いに特徴を生かし、引き出す形で関わることができるようになりました。これまでは成果を短期間で挙げることを考えていましたが、是友地区の方と関わるようになって、長期的に段階を踏んでいくことを学ばせていただきました。地道に積み重ねた活動が、目に見えるつながりに変わっていることを実感できましたし、常に目的を持ってそのための土台を気づいていくことが、とても重要だと学びました。

 

春から社会人として働くうえで、目的を持つと同時に、具体的な理想像を考えたいと思います。そして、常に念頭においておきたいのは、人とのかかわりをどう活かすかということ。一人で出来る仕事はあるかもしれないけれど、人と共にすることで達成感や、感動など変わってくると思います。自分の意見を持ちながら、相手の意見も尊重し、活かすというスタンスを大切にしていきたいと思います。

 

大学関係者の皆様、高知県内地域の皆様、インターン先の会社の皆様、本当にありがとうございました。 

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