【留学体験記】Ci vediamo ancora!第3回"Dolce far niente" 無為の甘美(阿曽佑也くん)

2013年12月5日
 

Ci vediamo ancora!

 

留学中に学んだイタリア語で、響き・意味と共に好きになった言葉

“Dolce far niente”(ドルチェファールニエンテ)


これはイタリア人のモットーで「何もしないことの甘美さ」という意味の言葉で、
なにもしないことに焦るのでなくて、何もしないことを楽しもうよ!
というようなニュアンスです。


常に仕事に追われている社会人や、課題に追われている学生からしたら結構衝撃的な言葉ではないでしょうか?

でも、すごくイタリアらしい!!

イタリア人のイメージ通りの言葉ですね。


実際に、パオラ先生や学生さん達とのディナーは、2~3時間ぐらいかかりますが、時間を感じないくらい楽しいです。いや、イタリア語が分からないので、正確にいえば楽しそうです(笑)

それでも、彼らの笑顔って本当に屈託のない素敵な笑顔です!
それを見ているだけでも十分楽しい気分になります。

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(Welcome Partyの時の一枚)


あと、基本的に待ち合わせ場所はバールと呼ばれるカフェです。

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(パオラ先生お気に入りのバール! ここが待ち合わせ場所です!)

カフェで砂糖をたっぷりと入れたエスプレッソを飲みながら、一通り会話をしてから
次の行動に移るということがよくあります。

ちなみにバールとは、英語表記(BAR)からも分かるように、夜はお酒も出しています。
朝は、仕事に行く前の人達がコーヒーを一杯飲みに、
お昼には、休憩の間に一息つきに、
夜は、サッカーを観戦しながらお酒を飲む場所といった感じです。

ですから、ほぼ一日中お客さんが訪れ、また日に何回も同じお店に行くということもあります。(実際に僕も同じお店に一日3回くらいいった日がありました。)

こんな感じで、バールはもはや生活の一環として組み込まれ、コミュニケーションの場所として根付いているのかなと思います。


実際に、イタリア人はコミュニケーションに対する意識が日本人よりもかなり高いように感じました。

ホテルの場所が分からなくて、人に尋ねてみた時もそうでした。

道を尋ねる時は、まず英語で話しかけてみるのですが、たいていは、「イングレーゼ、ノー(英語わかんないや)」と言われます。 それでも「何が聞きたいの?」というように話を聞いてくれます。イタリア語で、、、、、そうなってくると、もう日本語とイタリア語で会話がはじまります(笑)

それでも、ちゃんとホテルにたどり着けるのだから、コミュニケーションがとれているということですよね。


それに道案内が終わると
「サムライはいるの?」
「フクシマは大丈夫かい?」
というふうにカタコトの日本語を駆使して日本のことを聞いてくる人もいるのだからビックリ! イタリア語なのでちゃんとは理解できませんが^^;

日本人なら、知らない言語で道を聞かれたら「英語わかんないや」とかで道が分かっていても断っちゃう人も多いとは思います。

パオラ先生にこの話をしたときに「イタリア人は、コミュニケーションを取ることが好き。言葉がわからなくても、それは変わらないわ 」とおっしゃっていました。

言葉が違う人とのコミュニケーションをも楽しむ人たちなのだから、
イタリア人同士ならなおさらでしょう。

そんな彼らが、大好きなコミュニケーションを取る場としてバールやレストランにいって、各人の“Dolce far niente”を満喫しているのかな。


話はそれますが、イタリアにはスターバックスがありません。
スターバックスは、イタリアの社交場としてのカフェスタイルに影響を受けている部分は多いようです。


でも、アメリカナイズされて、サラリーマンが朝コーヒーをテークアウトして、商談の場として使うようなビジネスライクなカフェスタイルは、イタリアの自由な時間を満喫することカフェ文化には馴染まなかったんでしょう。

イタリアの学生さんは「コーヒーはテークアウトするものではなく、その場で友達と話しながら飲む物」と言っていました(笑)

紙コップに入れてもらって、移動しながら飲むなんて文化がないとのこと

コーヒーを飲みながら何もしない時間を友達と話しながら楽しむ。

“Dolce far niente”です!

あと、郷土愛の強い国民性のせいか、イタリアではマクドナルドぐらいしかチェーン店がないと言われるくらい、チェーン店が根付きにくいお国柄というのも影響しているかも。

 
話をもどして、

何もしない時間を存分に楽しむイタリア人ですが、本気を出した時の力はすごいです。

イタリア人の本気を垣間見たのは、僕のアルゲーロでの住まいを捜してもらう時でした。

僕がアルゲーロに着いた時にはすでに物件を探してくれていて、すぐに案内してくれました。

海にも近く、スーパーにも近く、フリーWi-Fiにもアクセスできるいい環境だったのですが、お世話してくれたダニエルさんティッチアーナさんたち的には、問題があったらしく、、、、

小一時間ぐらい管理人さんと熱い議論をした結果、違う部屋を借りることになりました。

違う部屋を探す間にも、他の不動産とか、知り合いの家だとかをとにかく当たってくれていたようです。

その努力の結果、約一カ月の間住むこととなったお部屋はこんな感じ!

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すっごくおしゃれな部屋で、これ以外にバスルーム・キッチン等があります。
部屋も何もかも僕の高知の家とは比べものにならないくらい良いものでした!

ホントにダニエルさんティッチアーナさんたちに感謝です。


この部屋で、イタリア料理を教えてもらったり、

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一緒にご飯を食べたりと
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アルゲーロライフを満喫していました。

最初のうちは、、、、


先ほどいったように、イタリア人が本気を出したらすごいと言いましたが、部屋探しは序の口でした。

本当に本気が見られたのは、次週に行われるサマースクールの準備の時でした。

作業は、サマースクールの日程調整や、冊子の作成といった内容でしたが、
朝9時に集まって、12時までひたすら作業。 2~3時間ぐらいご飯を食べて、15時~20時ぐらいまでひたすら作業。 また2~3時間ぐらい夕食を食べて、22時ぐらいから翌2時ぐらいまで作業。 作業の間にも、イタリア語での激しい議論。
話し合い中は、カフェやレストランでみせた屈託のない笑顔からは想像のつかないようなまじめな顔をしています。 それ以外は、割とニコニコして作業していますが^^:

こんな生活が一週間続きました。

その甲斐もあって、無事にサマースクールを迎えることができました。

このイタリア人の二面性を見て、イタリア人について分かった気がしました。

仕事に関しては、すっごくまじめにするし、芸術作品などもすごいものを造る職人肌タイプ。
そして私生活では“Dolce far niente”を満喫する一般的なイタリア人のイメージ。

まるで、仕事に本気でとりかかるために、私生活で帳尻合わせしている感じ笑
「ずっと仕事モードだと本領発揮できないし」とか思っていそう。

 

卒業論文も書き終え、来年以降に本領発揮できるように
“Dolce far niente”を実践してみようかな~と思う今日この頃。


次回は、大泣きしたり、大笑いしたりと、今回の留学一番の思い出となったサマースクールについて書いていきたいと思います!

人文学部4年 阿曽 佑也

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