【留学体験記】その後の「うるるんタイ在記」:第1回タイに行くと決めた、私。(太尾郁恵さん)

2013年9月27日
 

その後の「うるるんタイ」在記

第1回:タイに行くと決めた、私。

『タイに行ってみない?』、この一言が私の将来を導いてくれるとは、その時は思いもしませんでした。このタイで初めて見た世界、体験したことは、私にとってこれからも一生の宝物となると思っています。

 まず、私の大学生活を少し紹介させていただきます。1年生の時に、『自律協働入門』という授業を受講し、私は尊敬する先輩に出会うことができました。先輩は、いつも私たちに厳しく、ときには放置をし、自分自身で“考える”ということを学ばせてくれました。授業が終わると同時に、これからの大学生活の予定を立てました。「高知大に来たなら、CBIを受けないと意味がない」という先輩の言葉が私の心を動かしました。まずはCBIを受講し、私は二年生の前期、6ヶ月のインターンシップに取り組みました。熱海市のNPO法人でまちづくりの軸を身に着けました。高知に帰って来てからは、四万十市西土佐地区の限界集落での村おこしの活動に力を注いでいました。インターンシップで学んだ、“まずは私自身が地域・村民を好きになる、そのためにも地域・人を知る”ことを常に心がけ、おじいちゃんおばあちゃんたちと一緒に地域の農産物を使った商品づくりに取り組みました。村の方から信頼を得られるよう、村では協働生活をし、心からの想いや夢を語り合ってきました。このゼロから築き上げた信頼を基に、懐かしい手作りの豆腐をアレンジし、“ふわふわとうふ”と名付けました。私たちは、店頭での実演販売を企画・運営、地域のイベントへの参加を促しました。いずれも、村の特色が分かるような広告や宣伝方法を考え実践し、たくさんの人に知ってもらえました。このように実際、地域に入り込んだことで、まちづくりに対する自分自身の考えも養われてきた頃、タイへ行くチャンスを頂きました。日本とは違った文化・歴史を持つ他国に行くことで、また新しい地域のコミュニティを見ることができると誘っていただいた先生が話してくれました。今まで関わってきている地域を客観的に見ることができ、さらに良い方向に導く手がかりが見つけられると考えました。そして、ホームステイでお世話になるJam Rung村に一日、多いときには600人もの観光客が来るということを聞きました。首都バンコクから片道、車で約3時間のその農村になにがあるのか。なにを目的として観光客はくるのか。その仕組みを実際に見てみたいと思うようになりました。

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≪西土佐地区の中組のみなさん≫   ≪熱海市で体験交流プログラムの一コマ≫

 4月からタイに行くための授業を受講している時も、チキンな私は迷ってばかりいました。虫が大の苦手で、東南アジアのイメージや周りの人から聞く意見に、不安を感じていたのです。しかし、心のどこかで“タイに行くんだ!”という強い意志を持っていました。調べれば調べるほど、不安要素が高まるばかりでしたが、その不安要素を超えるほどの気持ちが自分自身への“挑戦”だったと思います。今まで、見たことない、行ってみたこともない、新しい場所で50日間生活をすることで、新しい自分に出会えるような気がして、ワクワクしていたのかもしれません。

 実際に、タイに到着してから、日本を離れるまでの楽観的な考えがガラッと変化しました。想像以上の大きさと都会っぽさを感じる空港と、一歩外に出た景色の違いに一気にいろいろな感情が湧き上がってきました。整備されていない道路に、車の違反の多さ、交差点の先頭に並ぶ無数のバイクを見て、初めて、タイに来たという実感がしました。建物の中に入れば、日本にいるのと勘違いしてしまうぐらいでしたが、建物から一歩でるとそこは別世界でした。路上は、マーケットが多く、人通りが多くにぎわっているようでした。しかし、事故をして歩けない人が座り込んでいたり、歌を歌って少しでもお金を集めようと必死で生活をしている人たちがいろんな場所にいました。彼らの助けを訴えるような目を、直接見ることで、心が痛くなったことを今でも覚えています。日本との違いだけでなく、バンコクの中での生活環境の違いに学ぶことが多くありました。タイで生活することに対して、少し簡単に思っていた私の前に立ちふさがる大きな壁がいきなり現れました。きっと、時間がたてば壁は消えるであろう、と言い聞かせながら、タイでの生活が始まりました。

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 こんなバンコク内で驚いている私が、ホームステイ先のJam Rung村でどう生活していけるのでしょうか。ある意味、波乱万丈だった村生活を次回の日記に楽しく書かせていただきたいと思います。

人文学部4年 太尾 郁恵

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