【留学体験記】グラッツェミーレ!イタリア 第7章 少しの勇気 -でもたたいても渡らない石橋もたくさんあったかなぁ-
-自分の3カ月を振り返ってみて-
僕のイタリアで過ごした3カ月はとても充実したものであったと思う。
本当はかなり臆病な自分。
俺はできるんだ!って信じ込ませていろんなことにチャレンジしてきた。
まわりには平気で海外に行ったりできる友達もいるし、凄いプロジェクトを回している先輩、勉強ができる友達・・・。
この留学は、どこか自分の持っている劣等感との戦いであったようにも思う。
関空で、日本の地面に足をつけたときのあのホッとした気持ちは今でも忘れられない。
空港の入り口の自動扉が開く。
私は外の空気を吸うと、大量の涙と鼻水があふれ出してきた。
花粉症のためであることは言うまでも無い。
冗談はさておき、振り返ってみると本当に僕は、まわりの人びとの支えによって少しずつだけど成長させてもらえているんだと思う。
振り返っても本当にたくさんの素晴らしい人びとに助けられた3カ月だった。
振りかえって一番に思い出す経験は、ボローニャ大学のプレゼンテーション。
この経験は、僕が大学院に進学して、もう少し学びたいという思いにさせてくれるものであった。僕のつたない英語でのプレゼンテーションを聞き、その本当に少ない情報量のなか一生懸命コメントをくれる大学の学生さんや先生方。
この経験が楽しかった。そして嬉しかった。
研究の世界に飛び込んでみたい!イタリア留学中に決心がついた。
でも渡らない石橋もたくさんあった。
いろいろと考え込み1週間部屋に引きこもってしまった時期もあった。
友人の誘いを忙しいことを口実に断ったこともある。
もちろんイタリア語を身につけられなかったのも僕の弱さだと思う。
プレゼン中に言葉が出ずに立ちつくしてしまった経験。あそこで、もっと自分の研究を話していたら…。
たくさんのチャンスを逃してしまった。これは悔やんでも仕方のない事だと思う。
人生にIf – Thenの条件式は成り立たない。
どこか退屈に感じていたことも否めない学生生活。
自分が一度高知を離れ、1年生の時から取り組んできた「日曜市」の活性化に関するプロジェクトから離れる経験は、冷静に自分の取り組みを客観視することにもつながった。
同時に、やはり日曜市は世界に誇ることができる!という確信も持てた。
日曜市を研究することは、海外に持っていってもはずかしくテーマである。
ただ僕の研究のスキルや、プレゼン能力はまだまだだということが分かった。
もっともっと磨きたい。
もう1年も前のことを振り返っているのに、全く色あせることのなく焼き付いている風景。
僕にとっては始めて高知を出て暮らす経験をイタリア、サルディーニャ島のアルゲーロでさせてもらったことになる。
僕にとっては第二の故郷である。
第二の故郷アルゲーロって何かカッコいい!!
アルゲーロとの繋がりは今でも続いている。
今でも連絡をしている友達はたくさんいるし、高知大学に交換留学生として学びに来てくれる学生さんもいる。
何よりもまた必ず会おうと誓った友人たちがアルゲーロにいる。
そのことが本当にうれしい。
何よりも本当にお忙しい中、僕の3カ月間のステイのすべてをサポートしてくれた、パオラ・リッツィ先生への感謝の気持ちでいっぱいです。
今後も交換留学のプログラムが続いていくことで、多くの後輩たちが素敵な経験をしてくれることを一期生として祈っています。
(完)
人文学部社会経済学科4年 浅川 直也 (NINO)