医学専攻の西川浩文さんらの研究論文が国際腎臓学会学誌「Kidney International」の電子版(12月11日)に掲載されました。

2017年12月18日

 大学院総合人間自然科学研究科医学専攻医療学コース1年の西川浩文さん(内分泌代謝・腎臓内科 医員)らの研究論文が国際腎臓学会学誌「Kidney International」の電子版(12月11日)に掲載されました。
 Kidney International誌は、国際腎臓学会の学術誌として創刊された伝統のある医学誌で、世界の腎臓病学の研究分野をリードする一流の国際誌です。本研究は大学院生の西川浩文さん、寺田典生教授ならびに先端医療学推進センター腎機能再生医療研究班所属の医学部医学科3年の間崎護さん、医学科4年の有馬直樹さんを含めた内分泌代謝・腎臓内科講座と皮膚科学講座、免疫学講座の研究チームで行われました。

 

 掲載論文:Knockout of the interleukin-36 receptor protects against renal ischemia-reperfusion injury by reduction of proinflammatory cytokine (IL-36受容体欠損マウスでは虚血再灌流による急性腎障害の予後が改善する)
 

 高齢化と糖尿病、慢性腎臓病などの増加により、急性腎障害(従来の急性腎不全)は、入院患者さんの10%近くに発症があることがわかってきました。そして、一端発症すると3割が維持透析になり、3-4割が慢性腎臓病に移行しますが、病態と治療法は不明な点が多いです。本研究論文では、臨床の病態に近い虚血による急性腎障害モデルをIL-36R(受容体)欠損マウスと野性型マウスで作成し予後を検討しました。IL-36R欠損マウスでは腎予後が良く、細胞障害や炎症細胞浸潤が低下し、炎症性サイトカインのIL-6やTNF-αの発現が低下していることを示しました。また、急性腎障害の患者さんの腎生検での腎組織内でIL-36aαが発現亢進することを示し、尿中のIL-36aαが増加することを示しました。この研究により、IL-36系を阻害することにより急性腎障害の新規の治療法につながる可能性があり、IL-36系を標的にした急性腎障害治療の臨床応用が期待されます。さらに、尿中のIL-36αの測定が新規の診断法となる可能性も示されました。
  

 詳しくは医学部のホームページをご覧ください。

 

 

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