◆自然科学系農学部門の市栄智明教授が所属する国際研究グループの研究成果が、「Ecological Research」誌に掲載されました

2023年2月13日

 自然科学系農学部門の市栄智明教授が所属する国際研究グループの研究成果が、「Ecological Research」誌に2月8日付けで掲載されました。

 一斉開花(※1)現象を含む熱帯域の植物季節は、光合成や蒸発散を介した気候システムや生物多様性の理解を深めるために重要な観測項目のひとつです。しかしながら、既存の衛星観測では、センサーの精度や観測頻度が不十分であったため、これまで一斉開花現象は、観測タワーやクレーンにおける目視観測やタイムラプスカメラを用いた定点撮影により限定的に捉えられてきました。このため、種ごとの開花季節の特徴や種間の同調性についての空間分布の動態を広域的に評価することができませんでした。

 本研究では、高頻度高解像度衛星PlanetScope(※2)で観測された分光データと、現地における長期的な地上観測データを用いた検証に基づいて、東南アジア湿潤熱帯域特有である一斉開花現象を世界で初めて広範囲に捉えました。

 詳細は、プレスリリース資料をご覧ください。

 

 タイトル:Utility of Commercial High Resolution Satellite Imagery for Monitoring General Flowering in Sarawak, Borneo

 著者:Tomoaki Miura1,2,*, Yuji Tokumoto3,4,5,*, Shin Nagai2, Kentaro K, Shimizu4,5, Runi anak Sylvester Punnga6 and Tomoaki Ichie7

 所属:1: ハワイ大学マノア校, 2: 海洋研究開発機構, 3: 宮崎大学, 4: チューリッヒ大学, 5: 横浜市立大学, 6: サラワク森林局, 7: 高知大学

 *: 本論文において同等の貢献をしました。

 DOI: 10.1111/1440-1703.12382

 2月7日プレスリリース_ボルネオ熱帯多雨林の一斉開花現象を世界で初めて衛星観測により広範囲にとらえた!.pdf(2MB)

 

(※1)一斉開花‥森林内の様々な分類群の樹木が同調して開花する現象で、その開花間隔は1〜10年と不規則になっている。ボルネオなど東南アジア湿潤熱帯域のみでみられる。

(※2)高頻度高解像度衛星PlanetScope‥米国Planet Labs社が運用している高頻度高解像度マルチスペクトル光学センサーを搭載した人工衛星。

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