総合科学系生命環境医学部門の芦内誠教授らの研究成果がNature系科学誌「Scientific Reports」に掲載されました

2018年3月28日

 本学総合科学系生命環境医学部門 芦内誠教授の研究グループは、極限環境微生物由来のバイオポリマーをプラスチック等の実用的な産業材料に変える画期的な化学改質法の開発に成功しました。その成果がNature Publishing Groupが刊行する「Scientific Reports」(2018年3月15日付)に掲載されました。
 芦内誠教授らは、塩湖に生息する極限環境微生物(超好塩アーキア)Natrialba aegyptiacaが生産する立体規則性ポリγグルタミン酸に注目し、産業応用にも堪えるバイオベースナイロン新素材の開発に取り組んできました。結果、エステル化等の一般的な化学修飾法とは異なる画期的な新技術の開発に至り、新たに「ポリマー形質転換技術(polymer transformation)」と名付けました。また、これにより生み出される新素材のことを「ポリγグルタミン酸イオンコンプレックス(PGAIC)」と呼びます。100%結晶ナイロンに匹敵する熱エンタルピー(強吸(耐)熱性)/(環境負荷の大きな表面加工不要の)自発的コーティング機能/広域かつ強力な抗菌活性等、従来のバイオプラスチック類の位置づけ・範疇(化成プラスチック代替等)に収まらない超機能性バイオベース材料との評価を得ました。実際、本件関連の一部が国内特許5件および外国特許2件の取得に繋がっています。

 

【発表論文】
雑誌名:Scientific Reports
論文タイトル:Engineering antimicrobial coating of archaeal poly-γ-glutamate-based materials using non-covalent crosslinkages
著者:Makoto Ashiuchi, Yuichi Hakumai, Sawami Nakayama, Haruna Higashiuchi, Kosuke Shimada
DOI番号:10.1038/s41598-018-23017-x

 

 

 

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