【えんむすび隊】みんなで植えたジネンジョを収穫しに行こう2016

2016年12月4日
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 12月4日(日)。えんむすび隊は、安田町中山地区へ出かけました。
 
 半世紀近く前からこの地で栽培されるようになり、今では安田町の特産品として地域に定着しているジネンジョ。廃校跡を利用した安田町集落活動センターなかやま(以下、集活センターなかやま)では、2014年から耕作放棄地でジネンジョ栽培に取り組んでいます。同年、集活センターなかやまと高知大学との連携がスタートしたことを一つの契機に、地域の方のご指導のもと、数多の学生たち(えんむすび隊だけでも計9回延べ200名ほど)が種芋の植付から収穫、販売まで、農作業を体験させていただいてきました。農作業の際、お母さんたちが腕をふるってくださる地元料理のお昼ご飯は、学生たちに大人気です。

 リピーターの参加者の中には、学生団体を立ち上げて現地に通う姿も見受けられるようになりました。今年は、安田町の人と食に惹かれた学生たちにより「安田(あんた)の食応援隊」が立ち上がり、安田の食文化について地元の方から教わっています。

 今回のえんむすび隊では、次週に迫った「中山やまいも祭り」(主催:中山を元気にする会)で販売するジネンジョを畑から収穫するとともに、学生団体「安田の食応援隊」の取り組みを紹介し、地域の方も交えて意見交換を行います。高知大学えんむすび隊や「安田の食応援隊」のメンバーにくわえ、SUIJIメンバーとして地域にお世話になった愛媛大学や香川大学の学生ら、総勢25名で中山地区を訪れました。


 集活センターなかやまに8時半頃に到着した一行。参加学生も多ければ、迎えてくださる地域の方々もたくさんです。「雨が降らないように」と空に祈りながら、収穫時のコツを教わった上で、まずは味工房じねん前の畑に向かいます。折れると商品価値が半分~3分の1ほどになってしまうと知った学生たちは、おそるおそる、掘り出します。あまりに優しく土を掘るので「そんなでは夜になってしまう」と地域の方から温かい笑い声も。形状が整ったまっすぐなものを掘り出すと、地域の方と学生たちから歓声があがります。収穫の間は雨も降らずに済みました。
 
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 無事掘り出したものを洗い出し、雨が降り出してからも屋内でひげ根をとるなど、販売できる状態にできる限り近づけようと、学生たちは作業をします。

 一部の学生は、約50人分のお昼ご飯づくりをするお母さん方のお手伝いに。この日は7升のお米を用いて炊き込みやおにぎりを作ったり、旬のお野菜を使用した絶品のかき揚げのために野菜を切ったり、強力な粘りのとろろを混ぜたり。料理名人のお母さんたちはとても手際が良くて、料理の技を盗みたいと意気込んでいた学生も「レベルが違いました…」と尊敬の眼差し。味見させていただいたり、地元料理や勉強する中で知った料理のレシピを教わったりしながら、みんなのお昼ご飯づくりに携わらせていただきました。

 農作業を終えて戻って来た学生たちは、完成したご馳走を目の前に、嬉しそうな顔。リピーター参加者らが配膳の音頭を取りつつ、地元のお母さんたちお手製のお漬物や収穫したばかりのジネンジョを使った山芋汁もくわわって、50人の大昼食会です。
 
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 午後からは、午前に体験したことを、お話を聞くことで、理解を深めました。まず、安田町ふるさと応援隊の横田光貴さんから、集活センターなかやまの取り組みについてお話いただきます。それから、「安田の食応援隊」の活動をメンバーの学生から、地域の方や学生たちに向けて、発表します。平成28年度安田町学生地域活動支援事業採択による資金を用いて足繁く通う中で出会った地元の方々のこと、お話を聞く中で知っていった農や食に携わる方々の思いを、精一杯言語化しました。質疑の際には地域の方の質問を通じて、発展途上にあるメンバーたちを地域の方が温かく見守ってくださっていることが、伝わってきました。

 その後体育館に移動し、次週の中山やまいも祭りのための会場準備をお手伝い。掃除をし、ブルーシートを敷いて、机とゴザをセッティングします。「助かりました。ありがとう」との地域の方々の労いの声に、学生たちも達成感を覚えます。
 
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 今回は、これまでの安田町でのえんむすび隊の中でも、一番多くの地域の方々にご参加いただきました。リピーター参加者の学生の顔を覚えていてくださったり、「来週は来る?」との声が飛び交ったり。祭りの盛会を祈りつつ、次週の楽しみにしつつ、お世話になった感謝の思いを寄せがきに乗せて、一行は帰路につきました。

 お世話になったみなさま、本当にありがとうございました。
 以下に、参加した学生の声を一部紹介します。ぜひご一読ください。

 

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●農林海洋科学部1年女子
 前回の植え付けと続けて今回の収穫活動まですることができ、いい経験になった。今回の作業は地域の中の一部ではあったが地域の人々と関わりを持ち、農作業を教えていただくことができ、人のかかわりは大切だなと改めて感じることができた。安田地区で行われている地域振興活動も知ることができ良かった。やはり農作業は植え付け準備から収穫から販売という流れがつながっているため、一部を経験するだけではなく、同じ作物がどのように変化し、どのような人々が関わっているのかを積極的に活動し、農業や地域に関して自分の身をもって学んでいきたいと思う。

 

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●教育学部学校教員養成課程3年男子
 私は、今回のえんむすび隊に参加するにあたって地域から見つめ直す教育という視点で活動をしました。そこで自分が気付いたことは、山間地域の学校は「学び場」という意味だけでなく、地域の人が活動や交流をする拠点だということに気づきました。「拠点として機能するために、必要なことは地域の人同士の積極的な交流または情報を共有できる場の必要性を感じました。「大人」同士で目指す目的を共有することが出来ればさまざまな企画の実現に一歩踏み出すことができると思います。もし、自分が山間地域の教師になった時は、地域の人同士、地域と地域が結び付く働きかけなど相互のコミュニケーションができるような働きかけを考えていきたいです。

 

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●人文社会科学部人文社会科学科1年女子 
 今回は安田町のじねんじょ収穫に立ち会わせて頂けた。えんむすび隊の活動に参加したのは最初で不安で仕方なかったが、地元の人たちがじねんじょの掘り方とかを丁寧に教えてくれて、楽しかった。私は、じねんじょを植える作業はしていなかったが、上のネットを外したり、実際に掘ったり、ひげを抜いたりすると農業の大切さが身に染みた。私が今日行ったことは自然薯作りのほんの一部であるが、少しの時間ですごく疲れた。あらためて農家の方を尊敬した。
 食事の際では、地元の方たちが様々な話をしてくれた。一番心に残ったのは、自分の卒業した学校が無くなっていて、すごく悲しかったと話してくれた事だ。高知県の少子高齢化の問題は把握していたが、実際に目にしてみるとことの深刻さを感じることができた。また今回のような活動に参加したい。

 

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